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多項式の展開と場合の数のつながりを考える(その2)

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前回こんな問題を題材に

【問題】

(x-1)(x+2)(x-3)(x+4)(x-5)(x+6)(x-7)(x+8)(x-9)(x+10)を展開した時、x^9、x^8、x^7の係数をそれぞれ求めよ。

 

もう少し簡単にしたこの式の展開から各係数の計算の仕方について書いてみました。

(x-1)(x+2)(x-3)(x+4)=x^4+2x^3-13x^2-14x+24

 

x^4,x^3,x^2の係数の出し方で計算問題と場合の数のつながりを感じてもらえたかと思います。

 

今回は残るxの係数の出し方です。

 

xの係数はというと

4つの項(-1,2,-3,4)のうち1つはxを選んで残り3つは定数項を選ぶということです。

異なる2つの積の総和を出すときと同じように今度は(a+b+c+d)^3を考えます。

 

この結果は、場合分けの考え方を使うと

①同じものを3つ選んだ場合、②同じものを2つ、残りは違うものを選んだ場合、③3つとも違うものを選んだ場合、の3つのパターンが考えられます。

(a+b+c+d)^3

=(a^3+b^3+c^3+d^3)

 +{a^2×(b+c+d)+b^2×(a+c+d)+c^2×(a+b+d)+d^2×(a+b+c)}

 +6×(異なる3つの積)

 

赤線部分は

(a^2+b^2+c^2+d^2)×(a+b+c+d)ー(a^3+b^3+c^3+d^3)

と式変形できます。

 

よって(-1+2-3+4)^3

=(-1+8-27+64)+3×{(1+4+9+16)×2-(-1+8-27+64)}+6×(異なる3つの積)

これを計算すると(異なる3つの積)=-14

となりxの係数と一致します。

 

高校数学になればシグマ計算をつかって、かつこの問題の場合は(-1)^k*kとすれば符号を合わせて総和を計算することができます。

 

こうして考えると、多項式の展開と場合の数の考え方がつながりましたね。