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多項式の展開と場合の数のつながりを考える(その1)

■    多項式と場合の数のつながり     ■

算数、数学は四谷大塚の週テストのように習った単元ごとの確認テストであれば、何を考えれば(使えば)いいのかが明確なので点数は取れるけど、総まとめテストや入試問題となるとどれを使えばいいのかとたんにわからなくなって点が取れないということはよくあります。

それは単元ごとの理解はできていても、単元毎のつながりを意識して理解していないからです。このつながりを意識できるようになったら理解度は全然違ってくるはずです。

 

私の教え方のベースは各単元の理解をした上で、単元毎のつながりを意識するということです。

 

では今回はこの問題を題材にします。 

【問題】

(x-1)(x+2)(x-3)(x+4)(x-5)(x+6)(x-7)(x+8)(x-9)(x+10)を展開した時、x^9、x^8、x^7の係数をそれぞれ求めよ。

 

答え x^9:5、x^8:-180、x^7:-750

 

まさか愚直に展開をしますか?

中学で多項式の展開を習った時は計算練習もかねて展開をしてみるのはかまいませんが、答えを見てもらうと分かるように計算するとなると大変です。

 

ではこれはどう考えたらいいのか?

ここで考えることは場合の数の単元とのつながりです。

 

問題の本質を考えるために項を減らした下の問題で考えてみることにします。

 (x-1)(x+2)(x-3)(x+4)=x^4+2x^3-13x^2-14x+24

 

x^4の係数は見て分かるように1ですね。

これってそれぞれの項からxの係数1を選んで、1×1×1×1=1をしているということです。これって場合の数の考え方ですね。

 

ではx^3の係数はというと、4つの項のうち3つはxを選んで残り1つは各定数項を選ぶということです。なので-1+2-3+4=2となります。

 

もんだいはここからです。

x^2の係数はというと

4つの項(-1,2,-3,4)のうち2つはxを選んで残り2つは定数項を選ぶということです。

 

展開をするときの計算方法を思い返してもらうと、残り2つに関しては2つの積の総和を出していることになります。4C2=6通り

(-1)*2+(-1)*(-3)+(-1)*4+2*(-3)+2*4+(-3)*4=-13

この異なる2つの積の総和を出す計算は大変ですね。

 

そこで

(a+b+c+d)^2=a^2+b^2+c^2+d^2+2(ab+ac+ad+bc+bd+cd)

であることを使います。

(ab+ac+ad+bc+bd+cd)の部分がちょうど2つの積の総和になっているように見えませんか。つまりこの総和の部分は

1/2×{(a+b+c+d)^2-(a^2+b^2+c^2+d^2)}をすれば出せます。

なので(a+b+c+d)はx^3の係数を意味するので、

2^2-(同じ数の2乗)=4-(1+4+9+16)=-26

これを1/2して-13となりました。

ちょうど展開して計算したx^2の係数と一致していますね。

 

単なる計算問題かとおもいきや場合の数の単元とつながっていることを感じてもらえたでしょうか。

二項定理(多項定理も)も場合の数の考え方を利用しています。

二項定理の意味と係数を求める例題・2通りの証明 | 高校数学の美しい物語

 

では残っているxの係数については、次回。