11月17日米セントルイス連銀のブラード総裁の金利引き上げ発言の威力が絶大だった
日本時間17日午後10時30分に発表された米・11月フィラデルフィア連銀製造業
景況指数は予想を下回り‐19.4となりました。(予想:-6.0、10月:-8.7)
ああ、これで米国の景気減速感はさらに高まったなと思い、ドル安からの円高に振れると思いました。たしかに発表直後には140円半ばから一気に140円割れの円高に向かったのですが、すぐに戻してどんどん円安へ向かっていきました。
何があったの?
と調べてみたら、 米セントルイス連銀のブラード総裁が、インフレを鈍化させるため金融当局は政策金利を「最低」でも5ー5.25%に引き上げるべきだと述べたことが材料視されたようです。
ブラード総裁は
「私は以前、4.75-5%との見解を示していた」とした上で、「きょうのこの分析に基づけば、5ー5.25%ということになろう。それは最低水準だ。この分析によれば、その水準なら少なくとも(十分抑制的と見なされる)領域に達する」
と語ったそうです。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは現在3.75-4%。
総裁が示した金利水準の算出には、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授が考案した指針「テイラー・ルール」の複数の別バージョンが用いられたそうです。
米経済学者のテイラー氏が1993年に提唱した、中央銀行が誘導する政策金利の適正値をマクロ経済の指標により定める関係式。この式に基づく政策金利は、現在のインフレ率が目標インフレ率を上回るほど、また、実質国内総生産(GDP)成長率が潜在GDP成長率(その差を需給ギャップと呼ぶ)を上回るほど引き上げられ、反対にそれぞれの値が下回るほど引き下げられることになる。
米国の実際の政策金利との一定の整合性もあり、各国の金融政策決定過程で参考にする代表的ルール(拠り所)の一つとされるが、この関係式で決まる政策金利の妥当性については学術的な議論もある。出典 野村證券ホームページ
このルールは現在のインフレ率が目標値からどれだけ乖離しているか、景気変動に対応する需給ギャップが均衡値からどれだけ乖離しているか、に応じて政策金利の調整を行うものです。経済状態に応じて、貨幣の供給量ではなく政策金利を変化させる金融政策ルールといえるでしょう。簡単に言えば、現在の物価・経済の状況に対して適切な政策金利の水準がどの程度かを指し示すものなのです。
・ここ最近のCPIやPPIの低下で利上げのペースの原則やターミナル・レートの低下までも織り込みすぎている。
・アメリカの利上げペースの減速は現実的ではあるが利上げは当分続く。
・ターミナル・レートはこの先のデータ次第で再上昇する可能性も大。
・あくまでも1回の結果だけでこの先予想を常に常に下回るわけではない。
こんな最近のファンダメンタルを考えると、150円を超えるような急激な円安はないとしても緩やかな円安へ向かうのか、チャートが示しているような130円前半へ向かっていくのか、どっちなんだろうか?
算数星人さんの「ひとりでできる良問50算数・図形編」
本日発売された算数星人さんの
の紹介です。
ここ最近、算数星人さんの最上級問題を3問ほど紹介してきました。
算数星人さんの最上級問題①最短経路の問題を解いてみた(中学入試問題レベルへ改題) - らふわく~Life&laugh work~受験算数・数学・趣味
算数星人さんの最上級問題①最短経路の問題をいろいろな方法で解いてみた(解説編) - らふわく~Life&laugh work~受験算数・数学・趣味
受験算数、最上級問題②難角問題を使って平面図形の必勝手筋がわかる - らふわく~Life&laugh work~受験算数・数学・趣味
中学受験で頻出、最上級問題③フィボナッチ数列問題を考えてみる - らふわく~Life&laugh work~受験算数・数学・趣味
これらの問題は難関校の入試問題か算数オリンピック以上の問題ですが、
この本は内容としては、これから算数を本格的に始める4、5年生や中堅校を目指す受験生が受験算数の図形問題の基本を固めるにはとてもいい本だと思います。
中学入試算数の図形分野の頻出問題を、合格に必要な50パターンに分類、精選されています。本質的で重要な良問だけを収録しているので効率よく合格力を身に着ける基礎体力をつけることができるはずです。
受験生なら模試や入試本番の直前に要点をさっと確認するのにいいと思います。
タイトルに「良問」とあります。
問題は全体的に塾のテキストなど一度は見たことのある問題ばかりですが、算数星人さんも書いているように「良問」とは学習効果の高い問題だからです。
ちなみに、ここに書いてあることを十二分に実践したらこの問題も解けるはずです。それだけこの問題は基本の組み合わせに過ぎない問題だからです。
受験算数、最上級問題②難角問題を使って平面図形の必勝手筋がわかる
例のごとく、算数星人さんの②難角問題を使って、平面図形問題の必勝手筋を考えてみましょう。
② 難角問題【最上級問題】② 難角問題 | 算数星人のWEB問題集〜中学受験算数の問題に挑戦!〜
問題はこちらです。
もともとは大人向けの問題ですが、中学受験の入試問題で出されてもおかしくない手ごろな難易度の問題です。問題レベルとしては西大和学園や渋幕が好きそうなタイプの問題です。
まず、タイトルに書いた必勝手筋ですが、
この下の2冊の本は東京出版の有名な本です。
巻末にはカードがあります。
A~Dレベルまであり、Dレベルはかなり難しいです。
カードをカードフォルダに入れてお互いに問題を出し合いっこしました。
解説が簡素なのでなんでそうなるの?と解説がわかりにくい問題もけっこうありました。子鉄と一緒に勉強した時にはこれを徹底的にやりこみました。
私はおすすめの図形問題の問題集です。
はなしを元に戻して、問題文には四角形ABCDが書いてありますが、
見えない線(補助線)をいくつか書いたらどんな図形が見えますか?
私には、
平行四辺形が2つと正三角形が1つ
見えました。
平行四辺形が2つと正三角形が1つ
が見えたら、もう答えが出せます。
この問題は外にも解き方があって、
見えたら答えが出せます。
ここであげた平行四辺形、正三角形、直角二等辺三角形、二等辺三角形
どれもしらない形ではないですよね。
算数ではおなじみの図形です。
つまり、
これこそ、図形問題の必勝手筋なのです。
隠れている図形をどうやって復元させるか。
それは問題文の中の条件を使って、それぞれの図形の性質と照らし合わせて合う形を描いていくのです。そうして描く線が補助線なのです。
図形問題が苦手なお子さんは、基本図形の性質をきちんと押さえられていないことが根本原因だと思います。それではどんなにたくさん問題を解いても、コツはつかめません。
さあ、この問題で
平行四辺形が2つと正三角形が1つ
もしくは
見えますか?
答えは105°です。
算数星人さんの最上級問題①最短経路の問題をいろいろな方法で解いてみた(解説編)
算数星人さんの最上級問題①最短経路の問題をいろいろな方法で解いてみたの解説編です。
(1)図のように4マス×4マスのAからBへ行くときの片道を最短距離で行く場合は何通り?
書き込み方式で解く方法と、計算で解く方法と2つあります。
計算で解く方法は、↑が4回、→が4回の組み合わせなので8C4=70通り
これは予習シリーズでもや参考書にも載っているレベルです。
では、往復だと?
(2)2マス×2マスのときにA⇒B⇒Aへ往復するときに同じ点を2度通らずに行く場合は何通り?(左下がA、右上がBとする)
2マス×2マスなら書いてしまう方が早いです。
というわけで↓の6通りです。
ちなみに上3つと下3つは対称的なので上3つを2倍すればいいのです。
では、なぜ上3つだけを考えればいいかわかりますか?
それは、
Aからスタートした時に↑からスタートしたらBへ行く直前は必ず→でないとかならず往復の時に同じ点を通ってしまうのです。それはA⇒Bへ行くルートをB⇒Aへ行くときにまたがってしまうからなのです。だから往復するとぐるっと一周するような経路をたどればいいのです。
この問題を紹介したのはここがポイントだからです。
これを踏まえたうえで、書き出して解くことが大事だからです。
(3)3マス×3マスのときにA⇒B⇒Aへ往復するときに同じ点を2度通らずに行く場合は何通り?(左下がA、右上がBとする)
これは(2)の考え方を応用して、あとは書き込み法との合わせ技です。
対称性を考慮して最後に2倍します。
(6+5+3+3+2+1)×2=40通り
(4)では最上級問題の場合は何通り?
これはおまけのようなものです。
同じように場合分けをします。
へこんだ部分の数が0~9個までのパターンが考えられます。
0個:20
1個:19
2個:16,16
3個:10,14,10
4個:9,10,9
5個:7,6,7
6個:4,5,4
7個:3,3
8個:2
9個:1
これらをすべて足して2倍すると350通りになります。
では、これを計算で解くとしたら、余事象を使って考えます。
A上の点をC、Aの右の点をD、Bの左の点をE、Bの下の点をFとします。
反時計回りのADFBECAの経路を求めて2倍すれば求めることができます。
そこには(2)での考察がポイントです。
D⇒Fの経路数は「右」「上」を3回ずつ6C3=20通り
E⇒Cの経路数も同じく20通り
したがって20×20=400通り
このうちD⇒FとE⇒Cが同じ点を通る場合は禁止されます。
同じ点を通る場合、通る同じ点のうち最もAに近い点をPとして
「D→P→FとE←P←C」を「D→P→EとC←P←F」に対応させると
このような経路の組み合わせはD→EとC→Fの経路の組み合わせと対応し
D→Eは「右」2回と「上」4回を行うので6C2=15通り
C→Fも同数となってこの組み合わせは15×15=225
したがって(400-225)×2=350通り
地道な書き出し法と同じ答えになりました。
中学受験で頻出、最上級問題③フィボナッチ数列問題を考えてみる
今回は算数星人さんの最上級問題③フィボナッチ数列、の問題を考えてみました。
③ フィボナッチ数列【最上級問題】③ フィボナッチ数列 | 算数星人のWEB問題集〜中学受験算数の問題に挑戦!〜
このフィボナッチ数列は不思議な性質がたくさんあります。
またこの数列は中学受験では階段問題やタイル問題としても頻出問題です。
フィボナッチ数列とは? 問題に隠れた規則性に気づけるようにしよう - 中学受験ナビ
過去には2007年京大で階段問題が出題されています。
ではこの問題はどう考えますか?
地道に直前の2つの数の和を足し算していけば答えは出ます。
でも工夫して計算しましょうとあります。
ここで、考えること。
14番目と15番目の数字が与えられていて、30番目の数を求めなさい、とあります。
ここの問題設定の意味を考えました。
入試問題では条件設定が実は大きなヒントになっていることも多々あります。
15を2倍すると30になる。
だから14,15番目の数字を使うのかな?
と考えるのです。
すると下のエクセルファイルを見てもらうと一目瞭然です。
16番目以降の数を、233と377の個数で表すことができるのです!
しかもその個数の数の並びが、またもやフィボナッチ数列になっているのです!
30番目の数は233は16番目の数の個数、377は17番目の数の個数で表せます。
となると16番目も17番目も233と377があれば610と987とわかります。
あとは、
233×610+377×987=514229と出せました。
不思議ですね。